同軸ケーブルの種類と解説

アンテナで受信した電波はアンテナケーブルを使ってテレビやレコーダーに伝送されて受信する事ができる。
テレビ放送が始まった頃はVHF用のリボンフィーダー線(300Ω)を使っていたがその後UHF放送が始まりUHF用のメガネフィーダー線 (200Ω)も使用されるようになるがしだいに同軸ケーブル(75Ω)が使われるようになり衛星放送が始まる頃にはフィーダー線は ほぼ使用されなくなり現在では同軸ケーブル(75Ω)のみが使用されるようになった。
ここではその同軸ケーブルの種類と特徴について解説する。

リボンフィーダーとメガネフィーダーと同軸ケーブル

同軸ケーブル(Coaxial cable)
同軸ケーブル内部写真 同軸ケーブルとは軟銅線の中心導体の外側に絶縁体と呼ばれる発泡ポリウレタンがあり、その周りに外部導体のアルミ箔や編組(へんそ)が同心円状に配置されその外側にシースと呼ばれる外被がある構造のアンテナケーブルである。

同軸ケーブルは現在S-5C-FBやS-4C-FBが主流であるが今後BSCSの4K8K衛星放送の開始により3,224MHzまで使用される事に合わせて従来より広帯域・低損失・高シールドのものが求められるようになって来ている。

同軸ケーブルは5C2V→S5CFV→S5CFB→S5CFB□(3重・4重シールド)と進化して来ている。 5C2VからS5CFVになって絶縁体がポチエチレン(半透明)から発泡ポリエチレン(白色)に変り770MHzから1,800MHzに対応した。
次にS5CFVからS5CFBでアルミ箔のシールドの追加、軟銅線編組が錫ズメッキとなる事で最新の物は3224MHzまで対応になった。

同軸ケーブルの種類説明イラスト 同軸ケーブルの種類比較表


同軸ケーブルの品番の意味

(例)S-5C-FB-AL
S衛星放送対応 Satelliteの頭文字(DIGITALとの表記もある)
5絶縁体の直径が5mm
C75Ω(Dは50Ω)
F発泡ポリエチレン(2はポリエチレン、HFは高発泡ポリエチレン)
B編組+アルミ箔(Vは編組のみ1重、Wは編組のみ2重)
ALアルミ編組(ABと表記する場合もある)


同軸ケーブルには4C(外径約6mm/絶縁体4mm)と5C(外径約7.7mm/絶縁体5mm)が主に使用されており一般的には屋外や壁面端子 までの配線では被覆の厚い5Cを使い室内では曲げやすい4Cを使用する事が多い。

絶縁体を空気にすれば理想的で減衰が最も少なくなるが不可能なため発泡ポリエチレンを絶縁体としており発泡度が高いほど減衰は少なくなる。 減衰は絶縁体の材質が同じなら絶縁体の直径にほぼ反比例するので5Cの減衰量は4Cの減衰量の8割ぐらいで2.5Cの半分ぐらいである。

同軸ケーブルのアルミシールドが1つ増えるとケーブルからのノイズ混入や電波漏洩が約10dB減るので2重シールドに対して 3重シールドは約10dB、4重シールドは約20dBケーブルからのノイズ混入や電波漏洩が少なくなる。
同軸ケーブルの編組は軟銅線錫メッキ編組の物とアルミ編組の物があり電気的にはほぼ同等だが軟銅線の方が柔軟性が ありコネクター等の挿入し易い。また接続には必ずネジ式のF型コネクター(F型接栓)の使用を推奨する。

取扱いで注意するのは同軸ケーブルを強く曲げると真円が楕円になりケーブルの特性が変化し損失が大きくなる事がある。 許容曲げ半径以上に強く曲げない事が大切だ。
許容曲げ半径は同軸ケーブルの直径の約4倍で「許容曲げ半径:5C→約31mm、4C→約24mm」となる。


F型コネクターについての解説 F型コネクター取付けについての解説 当店取扱い同軸ケーブル・コネクター


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