BSアンテナの構造と動作の解説


BSアンテナについて
BSアンテナの仕組み BSアンテナとは12GHz帯の衛星からの電波をお皿(ディッシュ)で反射してコンバーターに集めて同軸ケーブルで送れる中間周波数に変換し出力する機器である。
BSアンテナは左図のようにコンバーターが下方向からお皿の中心に向いているオフセット型であり、衛星の方向よりパラボラの向きがオフセット角だけ下へ向いておりお皿が垂直に近い状態で受信できるようになっている。
これはBSCSの電波が12GHz帯のKuバンドのため降雨や降雪の影響を受けやすくお皿に雨水や雪が溜まらないようになっているためだ。
お皿の角度と仰角の角度は異なるため仰角の調整はアンテナの仰角目盛りを目安に行なわなければならないが取付金具が傾いているとこの目盛りの誤差が大きくなり衛星の電波がなかなか見つけられない可能性がある。
またパラボラアンテナは指向性が鋭いため1度未満の誤差で方向調整をしないと本来の性能は最大限に発揮されないので注意して欲しい。

BSCS衛星からの11.710〜12.748GHzの電波をコンバーター(周波数変換器)で右旋1032〜2071MHz(左旋2224〜3224MHz)の電波に変換して出力している。
なおコンバーターは電子機器でありテレビや電源部から同軸ケーブルを通して供給されるDC15Vで動作しており電源が止まれば受信できなくなる。

BS衛星について
BS/CS110フットプリント BS衛星とは東経110度赤道(インドネシア・ボルネオ島西部)上空約36,000kmの静止軌道上にあるBS衛星とCS衛星からBS/CS放送の電波を日本に向けて送信しており障害物さえなければ日本中どこからでもBS/CS放送が受信できる。
現在市販されているBSアンテナやテレビは基本的にBSだけではなく110度CS放送にも対応しているのでBSアンテナを取り付ければすぐにでもBSもCSも視聴可能になる。
(※BSアンテナと受信システムの両方が110度CSに対応していないとCS放送は受信できない。)

BSCS衛星からの電波は左の画像のように日本だけに電波が届くような形で送信されており日本から衛星の方を見ると左右逆になるので左が上がった楕円に近い形の電波になっている。

BSアンテナはなぜ楕円?
パラボラはなぜ楕円 BSパラボラアンテナのお皿がなぜ楕円なんだろう?と疑問に思われた方もいるのではないだろうか?
お皿の形はちょうど竹を斜めに切った時の切り口の形に似ている。竹は丸だけどそれを斜めに切ると切り口は楕円なる。
それと同じようにオフセット型アンテナもお皿の向きと衛星から来る電波の向きが同じではないため衛星から見るとBSアンテナは丸だが斜めに衛星の電波を受けているからBSアンテナのお皿の形は竹の切り口同じように楕円になるという事だ。 我々はパラボラアンテナを楕円だと思っているが衛星はきっと丸だと思っているのかも知れない?

降雨減衰について
降雨減衰 降雨減衰とは10GHz以上の衛星放送・衛星通信で発生し降雨の影響により電波が減衰する事であり降雨量が多いほど周波数が高いほどその影響は大きくなる。
BS放送やCS放送ではこの降雨減衰によって主に夏場の集中豪雨で短時間受信不能になる事がある。
BS放送では降雨量が5mm/hで降雨減衰が約1dB程度とされているため45cmBSアンテナで正確に調整されていればマージンが8〜12dB程度あるので計算上40〜60mm/h以上の豪雨でないと受信不能にならない。 しかし降雨量は一定ではなく変化しているし光を遮断してしまう真っ黒い雲の影響もあるので現実には何mm/h以上の雨で受信障害が発生するかは定かではない。
また降雨減衰は受信側だけでなく衛星へ電波を送っている送信局側でも発生するので夏場お天気が良いのに突然受信不能になってしまう事がある。
大きなサイズのアンテナを設置しても100%降雨による受信不能を回避できないので一般的なサイズの45cmBSアンテナを厳密に方向調整する事の方が大切である。

4K8K対応BSアンテナについて
4K8K対応BSアンテナブロック図 BS放送と110度CS放送は右旋円偏波の電波のみを利用して放送されておりBSアンテナで受信するとBS(右旋)は1032MHz〜1489MHz、CS(右旋)は1595MHz〜2071MHzの信号で出力されているが 2018年12月より4K8K衛星放送が始まり従来のBSアンテナではBS右旋の4K放送のみ受信可能だが右旋左旋両方に対応した4K8K対応BSアンテナではBS(左旋)は2224MHz〜2681MHz、CS(左旋)は2748MHz〜3224MHzも出力される。
4K8K放送対応BSアンテナは左旋放送において従来より非常に高い周波数まで使用するためブースター・分配器・壁面端子・分波器・同軸ケーブル等の交換も状況によって必要になる。
BSアンテナは110度CS放送開始で110度CS対応になったが今後4K8K衛星放送開始により販売されるBSアンテナは全て4K8K衛星放送対応BSアンテナになって来る。
4K8K対応BSアンテナには左図のように右旋用と左旋用の2つのコンバーターが内蔵されているため消費電力が従来のBSアンテナの約2倍(0.2A程度)必要となるので注意が必要だ。
4K8K衛星放送と周波数の関係

当店取扱いBSアンテナ 4K8K衛星放送と受信方法の解説

衛星の方向
110度BSCS衛星の方角は目安として南西方向(午後2時の太陽の方向)であるが角度(方位角・仰角)は下記の図(北海道⇔九州)を見て頂きたい。アンテナに付属の説明書を見て頂くと地域別に方位角と仰角の角度は書かれている。

BS衛星の方位角BS衛星の方位角

BSアンテナ設置方法の解説


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