地上デジタル放送地上デジタル放送
(地上デジタル放送)

1996年10月のPerfecTV!放送開始から始まった放送のデジタル化の波は2000年12月にはBSデジタル放送が開始され次に2002年4月から110度CS放送も開始された。そして地上波も2003年12月から東京・名古屋・大阪の一部地域で地上デジタル放送が先行スタートした、2006年末までにほぼ全国で開始される予定となっている。ただしその時点ではすべての中継局がデジタル放送に対応しておらずまだ受信できない地域がかなり残っており全ての地域で受信できるようになるのは2009年頃になってしまう模様である。また今までの地上アナログ放送については2011年7月24日までは継続される予定となっているがその段階で地上デジタル放送の普及率が85%に満たない場合はアナログ放送の終了時期が延長される可能性もある。

全国の地上デジタル放送チャンネル情報
(全国の送信所・放送チャンネル・リモコン番号・放送エリアマップ)

【使用周波数帯ついて】
地上デジタル放送は当初アナログ放送とサイマル放送するため主にUHFの低い帯域を中心にデジタル放送が使い高い帯域をアナログ放送が使用します。2011年にアナログ放送が終了するとUHF帯の13ch〜52ch(53ch,54ch)を使って放送される予定。VHF帯では地上デジタル放送は放送されない。なおVHF(1〜12ch)とUHF(55〜62ch)についてはアナログ放送終了以降は通信向けに使用される予定だ。
【画質について】
BSデジタル同様にハイビジョン放送が基本となり、標準放送の場合は同時に3チャンネルの放送が可能となっている。さらに地上デジタルではゴーストが基本的に発生しない仕組みとなっているため受信画質は従来より格段に向上するはずである。
【音声について】
音声についてはBSデジタルと同様のMPEG2-AAC方式により放送されるため5.1ch放送も可能となっている。通常の2ch(STEREO)であれば特別なものは必要ではないが、5.1ch放送を5.1chサラウンドで楽しむにはAACデコーダー内蔵AVアンプもしくは[AACデコーダー+5.1chAVアンプ]とデジタルチューナーを光ケーブルで接続する必要がある。
【新しい機能について】
地上デジタル放送ではデジタル放送でお馴染みのEPG(電子番組表)も同時に放送されるので1週間内の放送予定が分かり、EPGに連動して予約も可能となる。また、電話回線等を組み合わせての双方向サービスも行われる。 あと、車や携帯端末等での受信も可能とされており移動中でもブレのない安定した奇麗な画質で視聴できるようになる予定だ。
【受信チューナーについて】
地上デジタルを受信するチューナーは2003年9月から順次発売されており、アナログ放送では地上放送のみや衛星放送のみで販売していたが、デジタル放送では地上放送と衛星放送(BS/CS110)がセットとなっている。その分価格的には5万円〜7万円程度とちょっと高めである。
ただしBSデジタル専用チューナーやBS/CS110デジタルチューナーでは地上デジタル放送は残念ながら受信できない。
DX DIR-301   松下TU-MHD600   SONY DST-TX1
【移動体向け地上デジタル放送について】
従来の地上アナログ放送では移動中に受信すると画面が乱れる事が多かったが地上デジタル放送では移動中であっても画面の乱れが非常に少ないのが特徴である。2006年4月1日より移動体専用にH.264/MPEG-4 AVC(解像度:320×240/320×180)という方式による移動体専用(携帯・車載)の放送(通称:ワンセグ)を予定しており現在各メーカーでは移動体受信端末の開発・実験を行っている。ワンセグとは1セグメントの略で地上デジタル放送では1チャンネルを13セグメントに分けておりその内12セグメントで通常放送を行い残り1セグメントでこのワンセグを放送する。
【受信アンテナについて】
地上デジタル放送のアンテナについてはUHF帯のオールバンド用のものが使用され特別のものではない。アナログ放送(UHF)の場合は奇麗にみるためには65dBμV以上の受信レベルが必要だったがデジタル放送になると条件が良ければ45dB程度でも十分奇麗にみる事が可能となる。しかし、外来電波等の妨害波には弱い事が予想されるので同軸ケーブル分配器壁面端子等はシールド性能の高いものを使用した方が良いだろう。なお同軸ケーブル直結式の古いブースターを使用している場合は障害が出る事があるので地上デジタル放送対応のブースターに交換される事をお勧めする。
【弱電界地域での受信について】
地上デジタル放送の電波の弱い地域ではチャンネルによって受信できるチャンネルとできないチャンネルが出てくる。そういう場合は地上デジタル放送対応のブースターを入れてみる事が一般的だが改善できないケースも多い。原因はブースターの実用入力レベルが約35dB〜80dB前後であるのでそれを下回っている可能性が高い。そういう場合はブースターでは改善できないのでアンテナを高利得のものに交換するかアンテナの高さにはハイトパターンがあるので高さを変えてみたり場合によっては設置場所の移動も有効な場合がある。逆に電波の強い地域でブースターを使用している場合は利得を最大にすると入力レベルをオーバーしてしまい受信状態が悪化する場合があるので注意が必要だ。そういう場合はアッテネーターをONにして利得を低く調整する必要がある。可変型アッテネーターDAT-3/24
【屋根の上からアンテナが消える?】
皆さんは「屋根裏アンテナ」ってご存知だろうか?地上アナログ放送ではVHFとUHFのアンテナを屋根の上に高く設置しなければならず家の美観も悪くなるし台風などの時にアンテナが倒れるというリスクもあった。しかし地上デジタル放送ではアナログ放送の時に問題となったゴーストが発生しないしアナログ放送に比べて受信レベルもかなり低くても大丈夫という利点があるので屋根裏に八木のUHFアンテナを設置しても問題なく受信できる。これが屋根裏アンテナである。最近は地上デジタル放送用の変った形のアンテナが各種発売されていてこのようなアンテナをベランダに設置するのも良いのだが、この屋根裏アンテナが結構良いように思う。通常の家では分配器等を屋根裏に設置しているケースも多いので配線はいたって簡単だし家の美観も守れるし、おまけに台風が来ても倒れる心配がなく風雨にさらされないのでアンテナの寿命も格段に伸びる。強電界地域の木造の家でアナログ放送はもう見ないよという方はこの屋根裏アンテナを検討してみては如何だろう?ただし衛星アンテナは屋根裏設置はできないのでご注意下さい。
【CATVでの地上デジタル受信について】
地上デジタル放送はアナログと同様にCATVでも再送信されるようになる。地域によってすでに対応しているCATV局と今後対応予定のCATV局があり将来的にはすべてのCATV局で見れるようになる予定だ。
ただし、方式的には大きく分けて「パススルー方式」と「トランスモジュレーション方式」の2方式あり、パススルー方式は地上デジタル対応テレビやチューナーで受信できるがトランスモジュレーション方式はCATV専用のデジタルセットトップボックス(チューナー)が必要となる。またパススルー方式には元々の周波数のまま再送信されるものと周波数を変換して再送信されるものがある。後者の場合は未対応の機器も一部にあるのでご注意して欲しい。なお、CATV局によってはパススルー方式とトランスモジュレーション方式の両方に対応している場合もある。
【CATV共聴での問題点について】
加入しているCATVでパススルー方式で地上デジタル放送をするから安心と思っていると意外な落とし穴がある。従来のCATVでは450MHz程度までしか使用しておらず地上デジタル放送のUHF帯(470MHz〜770MHz)は使用していなかったのでCATVホーム共聴やマンション共聴に770MHzまで対応していないCATVブースターがまだ数多く使用されているのである。これではせっかくCATV局がパススルーで放送してくれてもブースターを通過できず地上デジタル放送が受信できないという事になる。地上デジタルがパススルーで放送されていて従来のCATVチャンネルは受信できるのになぜか地上デジタルは受信できないという方はブースターのチェックをしてみて下さい。
【CATVとデジタルテレビの問題点】
CATV加入者で地上デジタル放送対応のテレビ等を買ったが地上デジタル放送についてはパススルー方式なのでそのまま見る事ができるが内臓チューナーでBSデジタルやCS110はそのままケーブルでは受信できないから別料金を払って別途デジタルSTBを設置しなければならず折角高価なデジタルテレビを買ったのにどうもすっきりしないと思われている方がかなり多い。今後このようなケースはますます増えて来る事が予想される。結局はケーブルに加入しているにも関わらずBS/CS110アンテナを設置するという事になり最終的にはCATVを辞めて直接受信に戻るという事にもなりかねない。3波共用チューナーを推進してきた総務省及び業界はCATVでの3波共聴を可能にしなければケーブルの将来は危ういかも知れない。
CATVとBS/CS110混合できるブースター 77BCRKB28B-B
【地上デジタルのアンテナ端子の接続】
地上デジタル/アナログ共に受信可能な機器にはデジタルとアナログ別々にアンテナ端子がある。これはデジタルとアナログの電波の到来方向が違う場合にアンテナを別々に接続するためのものだ。しかしほとんどの地域では地上デジタルとアナログを同じアンテナで受信できその場合説明書等には分配器を使用してそれぞれの端子へ接続するような説明があるが、機器にそれぞれの出力端子があればアンテナから地上アナログ入力へ接続し、地上アナログ出力端子から地上デジタル入力端子へ接続して地上デジタル出力からテレビへ接続しても大丈夫だ。デジタル内臓テレビに出力端子がある場合も同様の接続が可能である。接続図参照
VU/地デジ/BSCSの端子がある場合上記の方法で接続できる場合は通常のBS/CS分波器でも接続可能となる。もちろん3分波器を使用しても良い。あと3分配器を使用する方法もあるが3分波器より減衰が若干大きいので信号強度に余裕のない場合は注意して欲しい。
【受信料金について】
地上デジタル放送は現在の地上アナログ放送と同様に民放は広告収入による無料放送が基本となっている。NHKは今までと同様に受信料の徴収する方式となる。
【限定受信方式導入について】
地上デジタル放送とBSデジタル放送は2004年4月5日より不正コピー防止のため著作権信号を送出する関係上 限定受信方式を導入しスクランブルを掛けるようになったがB-CASカードさえ挿し込んで受信していれば自動的にスクランブルは解除される。BS707チャンネルにて確認する事ができる。
【録画について】
地上デジタル放送は従来のVHSビデオやDVDレコーダーでもチューナーからの出力を入力してやれば録画は可能であるがハイビジョン画質では記録できない、もちろん画像も劣化する。劣化がなくてハイビジョンのまま記録するにはD-VHSビデオかHD対応のHDD録画器iリンク端子からデジタル接続により記録するかデジタルチューナー内蔵のHDD録画機器、ブルーレイレコーダーが必要となる。
【BSデジタルとの違いについて】
BSデジタル放送については日本全国どこでも同じように受信できる点が優れているが、逆に地域情報が放送され難いという面を持っている。地上デジタル放送は地域放送(ローカル放送)であり地域情報を放送するという責務を負っている点が大きく異なる。
【アナアナ変換について】
アナアナ変換とはデジタル地上放送とアナログ地上放送が混信する可能性がある場合現在使用しているUHFのチャンネルを別のUHFチャンネルへ移動するものです。アナログからアナログへ移動するので一般に「アナアナ変換」と呼ばれております。 こうしたアナアナ変換の費用は1800億円もの国費投入が予定されており場合によっては2000億円を越えてしまう可能性もあります。アナアナ変換はすでに各地で始まっておりチャンネル設定の変更やアンテナの交換などの作業を行います。該当地域にお住まいの方にはその地域での放送開始までには連絡があるはずです。なお会社・事業所・ホテル等への国費投入は行われないので自費で行う必要があります。
【受信可能エリアについて】
東京・名古屋・大阪の3地区の電波は2〜3段階に別けて送信出力がアップされる予定で東京タワーからの当初受信可能エリアは一部に限定されていたが2004年9月22日よりパワーアップされ受信エリアが広がった(民放・NHK教育700W、NHK総合410W、MXTV29W)、2005年末にはフルパワー送信となる。瀬戸デジタルタワーは8月2日よりパワーアップを始め2004年末までにフルパワー放送を行う。生駒からの電波については2004年9月13日から段階的にパワーアップを始め11月1日から100W放送を行い2005年末にフルパワー送信となる予定。詳しくは下記のD-PAのページを参照して欲しい。

各地区の地上デジタル放送情報へのリンク
DpaDpa デジタル放送推進協会ホームページ
総務省地上デジタルテレビ放送パーフェクトガイド
 地上デジタル推進全国会議
総合通信局 北海道 東北 関東 信越 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州 沖縄

【地上デジタル放送という言葉について】
以前は「地上波デジタル放送」という表現をしていたのに最近は「地上デジタル放送」という表現になっているのに気が付いている方も多いはずだ。当ページの表現も基本的に「地上デジタル放送」に統一されているがどっちが正しいの?またどう違うの?という疑問をお持ちの方のために私の見解を書いておく。
従来地上波のテレビ放送については「地上波」という言い方を一般的にしていた。その延長線上で言えば「地上波デジタル放送」となるが先にデジタル放送を始めていたスカパー!やBS放送等についてはアナログ放送のスタート時から衛星放送であり衛星波放送とは言わなかったのでデジタル放送も「衛星デジタル放送」とすでに統一されている。そこで「衛星デジタル放送」に対応するためには地上波も「地上波デジタル放送」ではなくやはり「地上デジタル放送」とするべきだとなったのではないのだろうか。業界的には総務省が地上デジタル放送と表現しているのにならって「地上デジタル放送」に統一されたという経緯がある。


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