アンテナブースターの効果と解説

ブースタとはテレビ受信で使用する地上波(UHF)や衛星波(BSCS)に対応した高周波用の増幅器であり分配損失やケーブル損失を補償し信号強度を推奨レベル値内に維持し設置箇所以降の信号品質の低下を予防するための機器である。
ブースターは信号強度を上げる事はできても信号品質を上げる事はできないので、信号品質が一番良いアンテナ直下に設置するのが効果的である。

ブースター配線 4K8K対応ブースター
種類としてはUHF/BSCS両方に対応した混合器内蔵タイプやUHF専用やBSCS専用のものがありそれぞれに屋外用と屋内用のものがある。
最近ではBSCSの4K8K放送にも対応した3224MHzまで増幅できるブースターも発売されて来ている。

アナログ放送時代のテレビのレベル表示は電波の強弱を数値化して表示していたがデジタル放送になり 現在のテレビのレベル表示は電波の強弱ではなく信号品質(C/N)に比例した数値を表示するようになっている。

信号品質(C/N)とは信号とノイズの比でありブースターを入れると信号(C)と雑音(N)の両方を増幅してしまうため ブースターそのものには信号品質(C/N)を改善させる機能はないので誤解しないで戴きたい。
逆に衛星アンテナ・ブースター・テレビの内部では僅かに雑音を発生している。(※雑音指数NFで表される。)

ではどのようにしてブースターで信号品質(C/N)の低下を予防する事ができるのかと言えば下記の図を見て頂くと 弱い信号より強い信号の方が同じノイズの影響を受けた場合相対的にノイズの比率は小さくなり信号対雑音の比(C/N)が高くなる。 したがってできるだけアンテナの近い場所にブースター入れてそれ以降の信号強度を高める事でより広い範囲でノイズを影響を軽減する効果がある。

信号強度とノイズの影響

ブースターを使っても電波の入口であるアンテナの出力より信号品質(C/N)が上がる事はないので アンテナの方向調整等を厳密に行って最初に信号品質(C/N)上げておく事が重要である。
さらにシールド性能の良い同軸ケーブルや雑音指数の良い機器を使う事でさらに雑音の影響を軽減する事もできる。

テレビには受信可能な信号強度に幅がありその範囲内に入っていないと受信する事はできないから 弱過ぎても強過ぎても受信不能になる。また最低限必要な信号品質(C/N)が確保できていない場合も 同じく受信不能になる。

下記の図を見てもらうとアンテナの出力時にあった信号強度が同軸ケーブルや分配器で減衰し必要な 信号強度と信号品質が確保できず受信不能になっている。
ブースターをアンテナと分配器の入力の間に入れると信号も雑音も同じように増幅されその後 減衰があってもそれを補償し必要な信号強度とC/Nが確保できている。

ブースター使用レベルC/N変化

ブースターの調整について
アンテナの信号強度は強ければ強いほど良いと思っている方がおられるがそうではなくもちろん弱過ぎてもダメだが強過ぎてもダメで受信機には推奨レベルの信号を入力する必要がある。
推奨レベルが確保できない場合はブースターが必要となるが仮に定格出力が100dBで利得30dBのブースターに70dB以上の信号を入力すると飽和してしまい入力レベルオーバーとなってしまう。 その場合は利得を下げて調整するかアッテネーターで減衰させてやる必要がある。 アッテネーター(減衰器)がブースターに内蔵されていてATT ON/OFFがある場合はそれをONにすれば良いがない場合は入力側にアッテネーターを接続する必要がある。
電測計で信号を測定し調整するのがベストだが自分でブースターを設置する場合はデジタルテレビのレベル表示は信号強度ではなく信号品質に比例した数値なのでブースターを入れても数値が改善するとは限らない。そのため利得最大にしてしまうケースが多いが逆に入力レベルオーバー(過入力)となる可能性あるためATT-ONで利得最小でもある程度の効果があるのでむやみに利得最大にしない事が重要だ。

放送の種類下限レベル推奨レベル
地上デジタル放送34dB46dB〜89dB
衛星デジタル放送48dB50dB〜81dB

ブースターの異常発振について
ブースターを使用した時のトラブルとしては異常発振がある。これはシールド性能の悪い同軸ケーブルを使用しブースター出力側のケーブルとブースター入力側のケーブルを束ねたり、地上波アンテナとブースターを接近させる等により出力信号が入力信号へ回り込み信号が ループして発生する。
異常発振が起きると異常電波が漏れて場合によって通信電波に混信を与えてしまう事があるのでシールド性能の良い同軸ケーブルを使い、 入力側と出力側のケーブルは接近させず、適切なレベル調整を行い、地上放送では念のためアンテナとブースターを1m以上離すなどの対応が必要だ。
4K8K放送では3224MHzまで使用するため異常発振等により電波漏洩が起きるとに特に大きな障害を与えてしまう 可能性があるのでくれぐれも注意して欲しい。

当店取扱いブースター


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